☆ハイローハート
小学生の高学年あたりから段々と孤立してきて……ツルむより1人でいる方が楽だしって、女の子の友達と遊ぶことも極端に少なくなったアタシが学校でいじめられもせず、中学にあがっても疎外されるわけじゃなく“1人で居ても平気な子なんだ”と認識されていたのは……
理一をはじめとよきとナルが居てくれたからだっていうのは……わかってる


でも、ありがとうなんて言わないけど??


頭悪くて、言ってることとかバカらしいし、まともに相手なんてしてられないけど


だけど……理一の不幸を願ったりしないよ


「君がどうしたいかはわかるけど、みさきちゃんは俺と別れる気ないだろ
手を引くのはそっちだと思うけど」

「俺、引きませんよ?」

「諦める諦めないは勝手だけど、次……彼女に指一本でも触れたら許さない」

「そんな約束できません、俺はみさきが好きなんで」


直後にドンッッと何かに何かがぶつかる音がしてアタシは思わずそっと理一達をのぞき見た

あら、意外と国坂くん手が早い


理一が襟をつかまれて壁におしつけられている


いや、でも、自分の彼女に手を出されたって思えば……あれくらいで済んでるほうが不思議かもしれない

まあ、1発や2発仕方ないかな……

と思っていると、いつのまにやらエレベーターは動いて人を運んできたらしく……背後から「こんばんは~」と暢気な声で挨拶された


慌てて理一達を見ていた顔を引っ込めて「こんばんは」と控えめな声で返事をして、マンションの住人が遠慮なくエントランスに歩いて行く背中を見送った


今度は理一と国坂くんに「こんばんは~」と挨拶している


……あんまり空気読まない人だな

いや、ただのマンションの住人に空気を読めなんて言えるほど偉くないけど


はぁ……とため息をついて、壁にもたれかかった

なんでアタシがこんなに神経使ってるんだろう

うなだれていると、突然目の前に理一が現れて顔をあげたアタシとばっちり目があった

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