☆ハイローハート

* * * * *

「あれ、国坂くんのノートが入ってる……」

学校でカバンの中身を出すとそこに見慣れないノート

中には不ぞろいながらも律儀に並んだ数字


アチャー
こないだ一緒に勉強した時にこっちにまぎれこんだ??

もしかしてこのノートがなくって困ってたら大変

連絡しないと……


とカバンの中を更に探ったら、肝心のケータイがない


「え~~~~……」

と眉をしかめながらがさごそカバンの敷き底までひっくり返して見るもケータイは入っていなかった


「あこ、ケータイ貸して」

「ん、いいよー」

「国坂くんのノートが間違ってアタシのカバンに入ってたから連絡したいねんけど、ケータイ忘れてん」

「どうぞ、っていうか番号覚えてんの?」

「国坂くんのケータイってめっちゃ覚えやすいねんもん
イチゴにクイッククイックの語呂合わせやねん」

「イチゴにクイッククイック??」

「そう、080のイチゴにクイッククイック」

「あ、そ……」


あこのケータイを借りて国坂くんに電話

幸いそのノートは自習用だったらしく、次会うときでいいよと言われて一安心した


「あこ電話サンキュー、返すのいつでもいいって
良かったァ、今日は龍一のカテキョが入ってる日やし、バタバタせずに済んだ」


電話を返すとあこが履歴を見ている

「ほんとだ、イチゴにクイッククイック」

「覚えやすいやろ?」

そう微笑んで、龍一のカテキョに行く前に一度家に戻ってケータイを取ろうと考えていた


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