☆ハイローハート
理一の頬から両手を離して「良かった、息してる……」と呟くと、ママが背後からイスを持ってきてアタシを座らせてくれた

理一の横、一番近く


「ずっと、ここに居ていい??」

「ダメ、もうちょっとしたらみさきちゃんは自分の部屋に戻りなさい」

「いや、理一のところにおる」

「ダメ」


理一のそばにいたい

だって、救急車の中でも、病院についてからも、ずっと引き離されてたの

もう絶対理一が目覚めるまで、離れたくない


「理一が目覚めた時にみさきちゃんがまた倒れてたら……理一がかわいそうでしょ?
一生懸命みさきちゃんを助けたのに」

「だから、ここに居たいのに」

「ダメです
ちゃんとみさきちゃんが元気になったら、いつまででも居てくれていいから」

「だって、あんなに寂しい部屋でアタシ寝られへんもん」

「じゃあ寝るまで居てあげる」

「いい、理一と一緒にココで寝るから」


布団をちょっとだけ持ち上げて中にある手にアタシの手を重ねると、愛しさで心が潰れそう


もう、何一つ言葉にならへん


この感情が何かすらわからへん


アタシの中に生まれては、叶わないと失望させる願いが夜の闇のように広がって行く


理一の目にアタシをうつしてほしい

理一に笑いかけてほしい

理一に名前を呼んでもらいたい

理一と話したい

望むのは、生きていればあり得る簡単な事



だから理一、起きて……

アタシが泣ける場所を、理一は知ってる??



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