☆ハイローハート
MJが「モロが来ないなんて……」と演劇チックにショック顔をしている

「だって、アタシ今日は警察に行かないとあかんねんもん
もう多分最後の手続きやから、早く終わらせたいし」

あこはニヤニヤ笑ってるだけ
理一が退院してから数日、同じマンションとは言えど毎日理一と顔を合わせるわけじゃない

「私はてっきりモロとあの男が一緒に来ると思い込んでたのよ」

「だから、アタシはいけないけど理一が1人で行くからよろしくね」

「よろしくしない」


……なんやろ

あこも、MJも、龍一も、なんで理一に意地悪するん??


「理一も退院したからこれから警察に出向くことが多くなるだろうね~」

なんてあこはのんきに言っている


「私、すっかりあの男の専属占い師みたいになってるんだけど」

「うん、理一はMJのことすごい信頼してるって言ってたよ」

とアタシはMJを持ち上げようとして言ったのに、その目論見は日の目を見ない


「お金にならなくて大変迷惑です」

と無下に投げ捨てられて、アタシは「あ、はは」と乾いた笑いを出すことしかできなかった

「ちょっと、彼女の権限で“石買いなさい”って言いなさいよ」

もう、言葉もありません

ごめんなさい……

アタシが下唇を突き出して困っているのに、あこがMJを見ながらしれっと好き勝手言う

「理一から金とりゃーいいじゃん
それか、モロに石買わせたら?
どうせバカップルなんだから、モロが買っても理一が買っても一緒一緒」

「そうだモロ、あなたもうすぐ誕生日でしょ?
あの男に“誕生日プレゼントは石が欲しいな~”って言ってくれない?」



……MJも容赦ない


「アタシ石いらんもん」

「バチがあたるわよ!」

「おお!理一がゆってた!MJに逆らうとMJがバチ持って追いかけてきてリアルにバチを投げつけられるって」

「失礼ね、そんなことしてないわよ」

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