彼と彼女の恋愛事情



「……薄情椎斗には教えない」


「あ?」


「薄情椎斗には教えてやらない」


「……んだと?」


あたしがふんっと顔を背けると、椎斗は綺麗な顔を少し歪ませ、あたしの顔をグイッと向き直らせる。


そうすることであたしと椎斗の顔の距離が30センチいかないくらいになり――…綺麗な顔を真正面から改めて至近距離で見ると、あたしは息を呑んだ。


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