暴走ゲーム


「菜摘!?」

「はぁ・・・っ」

息苦しい・・・。

話せない・・・。

「大丈夫!?」

「あ・・・い・・・」

「え?」

呼吸が整わず、全然話にならない。

「落ち着いてって」

心臓がまだバクバクいってる。

「どうしたの?」

「なんで出て行ったんだよ。危ねえって言ったろ。単独行動は禁物」

「アイツに・・声掛けられて・・・」

「見たのか?」

「見てない・・。声掛けられたから・・全力疾走して・・・」

「大丈夫、大丈夫」

晴也があたしの背中をさする。

「おい、まだ分からねえの?笹井の居場所」

「メールしたけど返ってこない」

「電話も直留守に入っちゃう。電源入れとけって言ってんのに」

「大丈夫だろ、アイツ。第一、やられてるとは限らないわけだし」

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