腕挫十字固-うでひしぎじゅうじがため-

*後退

「!」

 杜斗は倉庫の様子が変な事に気がつく。

「……? なんだ?」

 目を凝らすと、男が少女を引きずるように出てきた。

 何かを凝視しもって背後から出てくる。

「? 時弥?」

 今までとは違った雰囲気で時弥が男を見つめ追い込むように姿を現す。

「何やってんだあいつ……」

 一瞬、別人かと思うほどに時弥の容姿は一変していた。


「早く離せ」
「くっ来るな!? 来るなよっ!?」

 半泣き状態で叫ぶように青年は発する。

「……っ」

 さすがの理絵もこれには声が出ないようで、引きつった顔を時弥に向けていた。
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