あんたとあたし。
ΘNE











―――――炎天下の下。湿った空気。薫る風。桜の木の木漏れ日。セミの鳴き声。
・・・季節は初夏―――



 中学からの同級生に呼び出された体育館裏。

 なんで呼び出されたのかはわかんないけど。とりあえず今は相手待ち。


 体育館内で練習するバスケ部。綺麗に決まった3ポイントのシュート。
 思わず、歓声を上げる。シューズのこすれる音や掛け声が、彼らの熱意を奮い立たせる。


「ごめんっ。待った??」

「ううん。どうしたの、啓が呼び出すなんて初めてじゃん。」


 何気なしに笑顔を向けたこの相手が呼び出した張本人、山瀬啓。
 あたしら、2年の間で「爽やかくん」と名高い。先輩からもモテてて。おまけに人望も厚い。



< 2 / 129 >

この作品をシェア

pagetop