あんたとあたし。

　さりげなく、帰る方法はないか。そんな方法、あるわけないのに、考えた。

　自分の頭の悪さにビックリしてしまうほど、何も出てこない。
　時間がどれだけ経っても暇なだけだし。

　帰って寝たい。だって、眠いもん。

　
　チャラ男、弘貴の口のうまさによって、スムーズに進んでいく合コン。


　正面に座る弘貴が「留衣ちゃん、飲み物は?」と聞いてきた。


「適当に頼んで。」

「適当にって。連れねーな、おい。」

「じゃあ、レモンサワー。」

「って、酒も無理だろーが。」

「いいって。どうせ、あんたの顔がありゃ、注文ぐらい、できるでしょ。」


　なんか、こう、スカッとする爽快な飲み物がほしかった。
　こーゆー時は、酒が一番なんだって。


「そーゆー問題かっ?!それでいいならいいけど。」

　
　それぐらいしか言わないんだったら、ツッコむなよ、おい。