初心者レンアイ(仮)

悲しい理由


そして、次の日…。



「紗枝、かわいいじゃな〜い!」



教室に入ったとたんに、千夏ちゃんが抱き付いてきた。


クラスメイトも私の変化に気づいたみたいで、目をこちらに向けてくる。



今日、私は髪の毛を下ろした姿で登校していた。



「お、ちゃんと下ろしとるやん。」



後ろから聞こえたのは、広川の声。


嬉しそうにニコニコしてる。


「広川が言ったから変えたわけじゃなくて、ただのイメチェンだからね。」


ばつが悪くなった私は、つい悪態をついてしまう。



「え、広川、紗枝になんか言ったの?」



しまった。

墓穴を掘ったことに気づく。



(え、二人ってそういう関係?)


クラスがざわめき始める。


「そう。なんで髪の毛下ろさんの?って聞いたわ。」



え?



昨日言ってたことと違うと思い、広川の方を見ると、パチッとウィンクをしてきた。



そのウィンクに、思わずドキッとしてしまう。




きっと広川は、私が注目されるのが嫌だろうと思い、気を使ってくれたのだ。


つまり、庇ってくれたんだ。



「なんだ。てっきり紗枝が広川のこと好きなのかと思っちゃった。」



ホームルームの後、残念そうに言った千夏ちゃんの言葉に、私は軽く否定した。



不思議と、悪い気はしなかった。
< 13 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop