疑似恋愛
#1


放課後の誰もいない教室に
あたし糸川千夏(イトカワチカ)は清水浩人(シミズヒロト)を呼び出した。

自分で言うのもなんだけどあたしは学校で一番モテる。それは清水も一緒
毎日毎日黄色い声を聞かされて
こいつもうんざりしてるだろうから
自己中なあたしが面白いことを言ってみた。









「あたしと付き合ってくれない?」


告白って始めてだけど
こいつ相手ならすんなり言えた。と思う




少しの沈黙の後
こいつは怪訝な顔をして



「俺お前の事嫌いだから」




冷静に言い放たれてしまった。
なんかむかつくし。




「あたしだって嫌いよ」



本当の事を言ってみたら



「意味わかんねぇ」




いちいち説明なんて面倒くさい奴




「あんたとあたしって、似たもの同士じゃない?
 あんたとあたしが付き合ったら周りに誰も寄らないのよ。
 いい?これは疑似恋愛。
 本物のフリをするの!!」



「………俺とお前が?」



「そうよ。条件は悪くないでしょ?
 学校に行く時も静かに登校できるのよ。
 本物のフリだから誰も知らないの」



「…確かに悪くもないな」



「交渉成立ね」



「…あぁ」



「疑似恋愛の絶対ルール!!
 相手を好きになるな!…ま、あたしがあんたを好きになることは
 多分一生ないわね」



「…お前に好きになられたってうれしくねぇ」



「あっそ、じゃあたし帰るから」




鞄を乱暴に持って教室を後にした。

























< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop