片思いの空

秘密の場所

わたしには秘密の場所がある…



中庭の垣根と垣根の間にある小さな穴


そこを通り抜ける




「うわぁ〜気持ちいい!!」



そう呟いて草の上に寝転ぶ


この場所には何かがある訳でもなくて


逆に何もない



あるのは大きな木
それと小さな花壇だけ


夏が近づいてきてる6月後半


蒸し暑いはずなのに
ここだけはとても涼しい





そっと目を閉じると優しい風を感じる




ここに来ると嫌なことも吹っ飛んじゃうよ…



ガサッ…ガサガサ




「ん?」



何の音




ー…!!〜!!



誰かの話し声






「うわぁっ!!」



男の子の声




「うわぁぁあ!!」


わたしの声






しばらく無言のまま
見つめ合っていた




「寛人?どうした?」



聞き覚えのある声…



「優遅いっ!!てか…幽霊がいたっ!!」



なぜかわたしを指差している




えっ…
幽霊ってわたしデスカ?



ポカンとしてしばらく見ていると



「幽霊っ?……あれ…田代さん!?」



え…

ゆっ…
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