桜色を覚えた絵

今ある感情を残したくて記念に写真を何枚か撮ったし、二人で映りたいから知らない人にもお願いをした。

いつの日か結衣のアルバムには洋平が欠かせない存在になっていたら嬉しく思う。

例えばお嫁に行くとき、プロジェクタに使う写真を選ぶ際に、今好きな人と笑っている一枚を迷いなく抜き取れる未来でありたくて、

恋をして嬉しい彼女は、洋平がいる毎日が大好きになるばかりだ。

ほら、結衣たちは狂った頭のロマンチストにさせてしまう。


広場や山の中をゆっくり歩いて、同じ場所を時計みたいに回っていた。

今日の洋平は無口で、つられて結衣も口数が少なく、それは通常の二人からすれば違和感しかないのだけれど、

たまにはそんな日もいい。
太陽の温もりが優しいと知る今を。

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