桜色を覚えた絵
洋平に抱きしめられて幸せがることもヒットした玩具や流行り歌と一緒だ。
子供の時は悲しかったり頑張ったりしたら、お母さんやお父さんや先生や知らないおばちゃんたちが抱きしめてくれた。
それが普通だったから、何も思っていなかったのは結衣で、
小学生までだろうか、手を繋ぐことと同様に中学生になるとなかなか抱きしめてもらうことはない。
運動会や文化祭でテンションが上がってハグする時もあったけれど、それとは違う腕の強さ。
だから恋人がやっぱり蘇らせてくれる。
大好きな洋平の腕の中に居る自分という存在が結衣は好きだ。
桜はどこまで結衣を結衣でなくすのか。