風神I




「真城ちゃん、何かあったの?」




空良は心配性だ。




「最近寝不足で、少し眠ってから来てるからかもしんない。」




次々と言葉が口から出てくる。




みんなから感じる視線よりも隣から感じる視線の方が強い。




あたしの言葉にみんなは納得した顔で次の話題に移った。




一人だけ変わらない視線を向けてくる人がいた。





「なに?」




視線に耐えきれなくなりあたしは風雅の方を向いた。




「いや。」




風雅はすぐにあたしから目を逸らした。














こうしてあたしは、また嘘をつく。














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