君のためにできること
第九章
閉店後のミーティングの後、代表が僕を呼び出す時は大抵、別の仕事だ。
空返事をした僕に、無数の冷たい瞳が向けられる。

同期ぐらいのキャストからは勿論、先輩からもそのことを嫉まれてしまい、気付いた時には、既に僕の廻りには味方がいなくなっていた。

入りたての頃、客引きの仕方や接客の仕方や客の番号を教えてもらう方法など一通り教えてくれた幹部補佐の大輝(ヒロキ)さんにすら嫉まれるようになってしまった。
それを口角を上げ、冷ややかな瞳で見つめる、光条と隼人。

クスリのために働いてるとはいえ、悲しかった。心細かった。
< 115 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop