君のためにできること
そんな僕は恐怖に脅えていた。彼女に裏切られるかもしれないと、警察にばれるかもしれないと…何よりも光条に最も恐怖を抱いていた。

だからなのか僕は彼女に覚せい剤のことを告げずにはいられなかった。

「…ゆうこさん…」
いつものように、歌舞伎町のラブホテルでゆうこさんを抱いたあと、僕は話したんだ。
僕の腕を枕代わりにして横たわるゆうこさんは僕を見つめて返事をした。

「…もうわかってると思うけど…」

僕は恐る恐る覚せい剤の話と光条との話をした。

「…もちろん…その腕をみた時からわかってた…初めてみた時は内心驚いたわ…」

「ゆうこさん…」

「…でも…もう慣れてしまったわ…話してなかったけど、光成と逢う前も他のホストに抱
かれていたの…その中に聖夜もいたわ」

彼女はタバコに手をのばして一本加え、火をつける。メンソールの香りが辺りに広がる。

「…彼も同じだった…」

「同じ…って?」

「彼もやっていたわ…覚せい剤」

その言葉に僕は驚きを隠せなかった。

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