君のためにできること
第十一章
ねぇ…萌香。

僕は、君と出逢う前までは愛って結局のところ独占欲からなりたっているものだと思っていた。こう言っちゃうと言葉悪いけど、自分のものにすることで愛を表現しているんだ。

だから浮気が許せなかったりするんじゃないかな。自分じゃない誰かと、手をつないだり、キスをしたり、セックスをしたり。

独占欲で愛を表現するのは一番てっとりばやい愛情表現じゃないかってこと。愛は求めるものではなく与えるものだとよく耳にするけど、よくわからなくなる。突き詰めていくと、求めることで愛を与えているようにも思えてくるんだ。僕自身も彼女…小橋華蓮を恋人だということで縛りつけていたんだ。

まだ幼かった僕は、彼女を縛ることでしか愛を与えることができなかった…結果これだ…
でも君は違っていた。君は独占欲とは程遠い愛で僕の全てを包みこんでくれた。

信頼…なんて言う言葉がひれ伏すくらいの愛に…
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