君のためにできること
高校ではこんな僕でも一応はモテてたんだ。

一年の頃、テニスでは、ルーキーなんて呼ばれたりしちゃって。
でも、僕はその程度だった。テニスで輝ける自分は存在しなかった。テニスで堕落していくことに同調して僕のスクールライフも堕落していった。

何人もの女の子と付き合っては別れて…それの繰り返し。告白されて、付き合って、そして振られる。僕はわからなかった。去っていく相手に理由すら聞かなかった。ただ確かだったことは、僕の心の中にいるのは彼女だったんだ。
彼女と別れた後も何人もの女性と付き合ったが、デートの時も、セックスの時も、夢の中でさえも彼女が僕を支配していた。あの時の僕は、彼女との別れが訪れたことを悔やんでいた。

きっと、僕を過ぎ去っていった女の子達は僕に彼女の影を見出していたのかな。
それが別れの原因だったんだと、今なら思える。
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