小悪魔れんあい




だけど、嫌なんて言えない。
だってきっと真実さんは叫心にとって大切な人に決まってるから。



あたしにも、もし幼馴染がいれば性別関係なく大切だと思う。


だから、絶対嫌ったりしちゃダメ…だと思うんだ。それに、叫心の前では可愛い女の子でいたいんだ。


「嫌なわけないじゃん。だけど、あたし邪魔になるでしょ?」

「そんなことあるわけないじゃん。麗奈は必要だし」


最近は、あたしが嬉しいと思うような言葉を平気で言ってくれるようになった叫心。


もちろん、嬉しいのだけれど。
あまりにも簡単に言うから、逆に疑ってしまう。本心じゃないのかなって。


でも、いくらなんでも考えすぎだよね。叫心に限って絶対そんなわけないよね。



「…でも…」

と、まだあたしが戸惑っていると。


「大丈夫!麗奈は俺の隣に座ればいいし、俺が話しかけるから!」

「…叫心…」


いつものあの優しい笑顔をした叫心が、あたしの肩をポンポンと叩きながらそう言ってくれた。


やっぱり、好きな人の言葉は信じるべきものでしょ?


なら、あたしは叫心と一緒にいたいよ。







その状況が、たとえあたしにとって辛く悲しい場所だとしても。



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