私の恋and事件簿♥
「妻がSATに引き抜かれるなんて、凄いと思います。光栄だとも思います。――しかし、妻が断った以前に、夫としては、
ただでさえ危険な現場に行けば体を張るこいつに、命懸けの丸腰で、危険と隣り合わせに働かせる事は残念ながら出来ないんです。だから、お断りさせて頂きます」



「よく言った!!」



北斗が頭を下げると、係長が喜んだ。

…何で?

私は係長と原沢さんを交互に見てると、「わかりました。諦めましょう」と、言ってくれた。



「あ、でも来たくなったら、いつでも歓迎するよ」



内心、諦めてなさそうなまま、帰って行く原沢さんの背中を、私たちは呆然と見送った。




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