愛しているから、さようなら!【BL】
「待ってた?!
……ちゃんと居るな!」
ガラッ っと勢いよく
教室のドアを開けて、彼が入ってきた。
「待ってなきゃ許さないとか言うから」
どう許されないのか疑問だったけど、
ちゃんと待ってみた。
「だって、最近よく先に帰るだろ?」
確かに僕は、最近彼が下校時に
誰かと一緒に居ると、置いて帰る事が多い
「……まあそうだけど。
ほら、早く帰ろうよ」
もう誰も居ないよ?と、
鞄を手に取り立ち上がろうとする。
しかし、その前に、彼によって
もう一度椅子に腰を下ろさせられた。
「……何?」
「帰る前に、これを見て欲しい」
そう言って差し出されたのは、
僕が今見たくない物の筆頭にある紙。
「伸びてたんだ?」
嬉しそうな顔を見れば、すぐに解る。
彼の身長は、170cmを越えた。
因みに僕は変わらず169.5cmだった
……もう、越されてしまったか。
彼は幼馴染ゆえになのか、
昔から僕と身長を一方的に競っていた。
それで僕の方が数値が大きい時に
悔しみながらいう文句が、もう聞けない。
「俺の方が1cm高くなった!」
記された数字は170.6