I think so.
レオの部屋から少し離れた所のドアを、ノックもする事も無く開けるレオ。

「ナツリ、こいつに適当に服貸してやって」



目の前の綺麗な、だけど強そうな女の人はこれまたなんと着替え中で、今着ようとしていたらしい服が手から落ちた。

ぽかーんと口をあけ、あたしを見る、ナツリさん。



「マジで?」

あたしを指さし、レオに言うナツリさん。そんなナツリさんにレオは面倒くさそうに、何が、と低く言う。

「彼女?」

また面倒くさそうに口を開くレオより先に、あたしが違いますと否定した。

「え?でも泊まっていったんでしょ?」

ナツリさんの言いたい事は分かったのに、上手く説明できないあたし。

「えーと・・・気付いたらなんかこうなってて・・・」



「まさかあんた寝込み襲った?」

上半身はまだ下着姿なのに隠すこともなく喋り続けるナツリさん。

「襲ってねぇよ。つーか寝込み襲う趣味じゃないんで」

「じゃあこの子は何なの?」

「拾ってきた」



何処へ行っても「拾ってきた」というレオに、あたしの人権は何処に行ったんだと思いながらも、まぁいいかと思っているあたし。

ナツリさんに、「拾ってきた」は通用しないんじゃないかと思っていたが、あっさり通用したらしく、可愛いーっ!とか言って抱きついてくるナツリさん。

「あたしはレオの姉のナツリ。そっちは?」

「シュウカです。」

「シュウカちゃんかー!可愛いーっ!あ、着替えだっけ、何でも貸してやるから!」

そんなやりとりを聴いてドアを閉めようとするレオの耳元でナツリさんが何かを囁いた。
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