転生と赤い糸



公園の遊具から少し離れた所のベンチに座る二人。






女の人が俯いて、肩を上下に揺らしている。






おそらく・・・泣いているんだろう。






もう一人が、その女の人の頭をポンポンと撫でる。






その手を後頭部にやると、女の人はゆっくりと顔を上げる。






何かを呟いて、その人は女の人にゆっくりと唇を重ねた・・・






女の人は抵抗する事もなく・・・下ろしていた手をその人の背中に回す。






唇が離れると、お互いをギュッと抱きしめていた。






入学した時から遠くから見てた姿だったから、あたしにはわかる。







その人が龍だって・・・






そして、その女の人がサナさんだっていうのもはっきりわかる。







・・・うっ・・っひ・・っく・・うぅ・・・






あたしは、その場で声を殺して泣いた。






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