月の下でキスと罰を。
四つん這いになって白い息を吐く瀬良は、苦痛に顔を歪めているようにも、恍惚としているようにも見える。
月明かりに照らされて剥き出しにされた背中は青白く、赤く細いひっかき傷ができていた。
小田桐の黒いコートは、大きく黒い影に見え、悪魔のようにも感じる。怖かった。
瀬良の腕を掴む小田桐の左手、あれは薬指、そこに光る輪。月の光に照らされピカリと光る。
怖かったし、そしてあたしの体には悲しみも満ちていたけれど、それでも、冷たく乾いた床で小田桐に組み敷かれる瀬良から視線を離さなかったのは、その間ずっと、瀬良があたしを見つめていたからだった。