ココロごと
プロローグ
騒音を撒き散らす四角い箱は、容赦なく俺の一日を始めさせる。


時間を見ることなく再び枕につく。
「朝っぱらからもう...」
普段から朝というものが嫌いだ。
なぜ辛い思いをしてまで起きなきゃならないんだ。

ピンポーン、と音がする。
あぁそういえば、もうひとつうるさいのがくるんだった。


「おはよー」
外から部屋まで透き通った声が少し揺れて聞こえる。

睡眠の邪魔だったので、当然無視した。すると、
「学校行くよー！！」
インターホンをこれでもかと連打された。

「あー！わかったわかった！」
仕方なく大声を出してみる。
音がピタリと止んだ。


よし、寝よう。再び枕につくと、突然ドアをノックされた。

あまりに唐突だったため背中がビクッとした。


ドアを開けた彼女は学校の制服を身にまとい怒った顔でこっちを見ている。
肩まである黒髪、容姿は放っておけば男に声をかけられそうなほどだ。


お互い顔を見合わせた後、彼女はため息まじりに口を開いた。


「やっぱり...」


彼女の名は今井　咲。


俺の“友達”だ。
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表紙・目次

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