ココロごと
“あの子”、近藤 夏樹ちゃんは昔からの知り合いだったらしい。


何回か一緒に遊んだことがあるとかないとか。なんせ親に聞いた話だから。




物心ついた頃には咲が隣にいて、夏樹ちゃんの存在に気付いたのは小学校にいた時だったと思う。幼稚園は違ったらしい。





咲は夏樹ちゃんのことを知っていたらしく、その二人が仲良く喋っていた時に俺が声をかけたのがきっかけだったか。


とにかくいつも自信がないように下を向いていて、顔を見る時には下唇を少し噛んでいるのが特徴的だ。




それから何度か会ったりしていて、咲と並ぶ度まるで姉妹のように仲が良かったのだけは覚えている。



「...という訳です」




大体一分で終わるはずの説明をだらだらと時間をかけていた。


すると大貴は、ありがとうございました。と真剣な口調で、話を切り上げようとしているのがよくわかった。
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