さよなら、片思い【完】
未だ夢の中にいる上原くんを起こさないようにそっと起きて布団から抜け出す。


シャワーを浴びて髪を乾かしながら鏡に映る自分を見ると昨夜の情事の激しさを物語る首元に無数の紅い印。


上原くんが連絡もなしにフラっと一人暮らしをしているわたしの家に来て、一言二言たいした会話もしないまま甘い蜜に溺れてしまう後はいつもこう。


原因はわかってる…。


でも、それで彼の気持ちが少しでも救われるならわたしは多少傷付いたって構わない。


例え、大好きなあなたの愛しい彼女の身代わりだとしても。
< 2 / 257 >

この作品をシェア

pagetop