さよなら、片思い【完】
付き合い始めの頃は上原くんとの距離間もまだまだ掴めなくて。


水槽の前で記念撮影をしてくれるサービスがあって、上原くんは自然体だったけどわたしはロボットみたいにガチガチだった。


そういえばあの写真、どこに閉まったっけ?


気になりだしたわたしは起き上がると棚に整理されているアルバムを引っ張り出した。


あっ、あったあった。


にっこりと微笑んでいる上原くんに対して、顔を赤くしながら引きつった笑顔をカメラに向けるわたし。


表情が固くなりすぎて写真を撮ってくれたスタッフさんが苦笑いしてたな。


もう一回撮り直したい、この写真。


でもこれも良い思い出なのかな。


それにしても、懐かしい……。


あれからもうすぐ一年が経つんだ。


由香里さんの代わりとして、上原くんの側にいた一年間。


上原くんがわたしを大切にしてくれるから、


それになんだかここ最近わたしのことを愛おしそうに見つめてくるから。


勘違いしそうになる。


わたしのことが好きなんじゃないかな、って。


そんな自分に都合の良い空想をしならわたしは深い眠りについた。
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