【完】恋花火
恋花火

好きな人

あたし、咲乃若葉。
あたしは今片想い中。
『若葉ー、ペン貸してよ』
あたしの片想い相手は、こいつ、真城彼方。
「…また忘れたの?」
『おぅ!』
「開き直るな!はい、これでしょ?」
『サンキュー!!俺、このペン好き♪』
「はいはい」
あぁ、ホントは嬉しいくせに!!
なんで素直になれないかなぁ。
「はぁ…」
「…きの!咲乃!!」
「は、はいぃぃ!!」
「先生の話をちゃーんと聞きなさい。罰として図書室の掃除を命ずる」
「なっ!…はい」
あのハゲッ!!
もっとハゲちまえっ!!
ポイと、隣から紙が飛んできた。
あけてみると…
【掃除手伝ってやるよ】
あたしは隣を見た。
笑顔でピースしている彼方。
ドキッ!
「ありがと」
と小声で言った。

いじわるだけど、優しい。
それがあたしの…好きな人。
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