Stare Melody

コンコン。
扉が重い音で鳴る。きっと今回のお客様だろう。柊が「どうぞ入って」と言うのと同時に、椎名が扉を開ける。どうぞ、と執事のような(?)仕草で彼女を部屋に入れさせた。
「えっと、お願いします。」
消え入りそうな声で挨拶をし、ぺこりと頭を下げる。結奈がニコッと笑ってそれに応えた。
「堅くならないでいいよ!宜しくね」
その笑顔に釣られたか、桜ちゃんもぎこちなく笑った。
「ささ、とりあえず挨拶しちゃおう。俺は桐山柊、生徒会会長ね。」
「相原海斗です。生徒会副会長なの。」
「椎名椋や、生徒会会計やってる。」
「葛城友也です、高一で生徒会書記です!」
「中本結奈、仲良くしてねー」
「新垣隼、宜しく。」
それぞれのキャラとテンションで挨拶し終えると、その迫力に気後れしながら桜ちゃんも挨拶する。
「永井桜です。」
「よし、桜ちゃん楽しんで帰ってな。皆お菓子出せお菓子!」

……お前はやらんのか柊!

という不満なんて口にせずに(というか楽しいから)皆それぞれ机にお菓子を出す。トランプやら王道な王様ゲームのための割り箸なども。お菓子も、高いものからコンビニのお菓子まで様々だ。
「好きなもん食べ?」
ブレない笑顔で椎名が桜ちゃんに語りかける。彼女はおずおずと頷いた。
「おい椎、桜ちゃん物怖じしてんだろ」
「ん?ごめんごめん、俺怪しい者じゃないし。」
椎名の得意技、おちゃらけて濁す。でもそのお陰か、ほんの少しだけ桜ちゃんは笑ってくれた。
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