君とみらいへ
「あーずるいっ
余裕だよねーっ
どうせ私はバカですよっ」
ホントに私はバカだ。こんな風に文句を言ってる暇があったら勉強するべきだってわかってはいるけれど、焦っちゃって逆に集中できない。
頭が良い隆司は、どんどん先へ行ってしまうから、私は必死になって追いかけるしかないんだ。
ずっと、この先も隆司の隣にいたいから。
離れたくないから。
でも……
私がどんなに頑張ったって隆司と同じ大学なんて行けないかもしれない。
頑張っても、届かないのかな・・・?
奈緒は俯いて、不安に押しつぶされそうになるのをこらえてスカートの裾をぎゅっと握った。