うさぎの小箱~【鍵つき】短編集~




「…………送っていかなくて大丈夫か?」



「だいじょうぶ!

おにいちゃん、ありがとう。」



心配そうなハルに向かってペコリと頭をさげて



「……………あの…」



「………?」



おれに向かって顔をあげた。



慣れない木登りで服も顔も汚れてしまってたけど……子猫を抱いて立ってる女の子は、それでもすごく可愛い子だった。



あと、できもしない木登りまでして子猫を助けたこの子は優しい子だと思った。



ぼんやり見つめるおれの目を見て









「みつけてくれて、ありがとう………っ。」



「…………!」












そうして、パタパタ走って行って…………子猫と一緒にいなくなった。













「…………優しい子だな?」



「…………うん。」











おれが…………みつけたんだよ。


















「…………ハル、おれ子猫ほしー。」



「………急だな…………。」












木の上の、子猫がほしい。











………………―――――――――――――――――――――――――
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