秘密


アスカさんは私に駆け寄り抱きついてきた。

のはいいんだけれど、アスカさんの大きな胸が私の顔を挟んでしまって、息が詰まりそうになってしまった。

「…む…ん…ぷはぁっ!…何でアスカさんまで居るんですか?」

やっと抜け出しそう言うと。

「え?あたし?あたしはカケルに頼まれたのよ」

「頼まれた?」

「うん。バイトよバイト♪」

「バイト?…ですか?」

私がアスカさんの腕の中で意味がわからずキョトンとしていると、カケルさんが、

「あはは。奏ちゃん実はね?俺がアスカちゃんに頼んだんだよ、こう言う場所には誰かをエスコートするのが普通だろ?だからね、アスカちゃんはそれにうってつけなんだよ、知性的だし、顔もスタイルも抜群だし、俺の隣に居てもおかしくないだろ?人目も惹くし、挨拶がわりに宣伝も出来るしね?」

……確かに。
言われて見れば、カケルさんは美形だし、アスカさんは超が付く位美人だし…

…決して悪い意味では無いけど、カケルさんって、計算高くて抜かり無いな…

「奏ちゃんは?何でここに居るの?あっ。もしかして茜くんも来てるの?」

アスカさんは私から腕を離すと、辺りをキョロキョロと見回した。

「アスカちゃん、奏ちゃんはね…」

とカケルさんが私がここに居る理由を、佑樹の事は言わないで簡単に説明してくれた。

「そっか、そうだったんだ、茜くんのフォーマル見れると思ったのにな、残念…あれ?奏ちゃん、足どうかした?」

アスカは私がヒールを脱いでいる足を指差す。

「慣れない靴で靴擦れしちゃって…」

「あ―あ…ホントだ、可哀想…痛いでしょ?あっ、さっきね、シューズショップの社長と仲良くなったのよ。ちょっと交渉して履けるもの貰ってくるわ、待っててね?奏ちゃん」

言うとアスカさんはそそくさとその場から立ち去ってしまった。

「……行っちゃった」

「ホント、台風みたいだね?しかしいつの間に社長なんか引っ掛けたんだ?しっかり営業してるし…」

「あっ…」

呟くカケルさんの向こうにお父さんを見つけた。

「お父さん」

よく見て見るとお父さんの隣には、綺麗な女性の人が隣に居て、その人の腕はお父さんの肘に軽く乗せられていた。




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