赤い狼 弐

:男のロマン







「うー。寒い~。」




掌を擦りながらその両手にハァーと息を吹き掛ける連。





「だよねぇ。もぉ、さっむーい!」




叫んだら少しは温かくなるかな。と思って両手を空に高く上げる。




すると



「わぁ……。稚春が壊れた…。」



と連が冷たい目で見てきた。





…ちょっと、何気傷付くんですけど。




「壊れてないわよ。」



と少しぶっきらぼうに答えると、連と同じように両手にハァーと息を吹き掛ける。




「あ。そういえば、稚春が友達ん家泊まるのいつだったけ?」



連が思い付いたように呟く。




「来週の土曜日だよ!」




元気に答えた私に、連は




「良かったな。友達と楽しんでこいよ。」




と自分の事のように楽しそうに笑って、私の頭を二回、ポンポンッと軽く叩いた。








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