赤い狼 弐







「ん…ふっ、はや…と、」




隼人から逃げようとして両手で隼人の体を押す。




でも逆にその手を捕まれて隼人の方に引っ張られ、身動きがとれなくなった。




「んっ…ちょ、止め…」




何とか声を出して隼人を止めようとしたら、生暖かい何かが口の中に滑り込んできた。



少し時間が経ってから、それが隼人の舌だという事に気付く。



「んっ…ふぁっ、」




隼人の舌が私の舌を絡めとる。


直ぐに逃げようとするけど隼人がそれを許さない。




そして、私の唇を隼人の舌が優しくなぞう。





キスなんて愚か、ディープキスなんて初めての私は、頭が真っ白になり、何も考えられなくなっていた。




「はぁっ、」





やっと隼人の唇が離れた事で私の肺には、冷たい空気が入り込んだ。







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