赤い狼 弐
あ、あああ穴があったら入りたい!!
なんて思いながら車の隅で気配を消すように小さくなっているとガチャッと車のドアが開き、
「急に居らんくなるな。稚春。」
と龍の声が後ろから聞こえた。
「はぃ。すんません。」
「稚春、こっち向き。やないと俺、寂しーやん。」
さっきのが恥ずかしくて後ろを振り向かずに話す私に龍はおちゃらけたように言う。
でも、
「や、無理です!」
「無理って…さっきの事、気にしてるん?」
車が少し揺れて、扉が閉まる音が聞こえた。
きっと龍が車に乗ったんだろう。