顧問と私たちと旅行部な時間
 桜が舞い散る都内の私立高校――錦ヶ丘高校。正面玄関の前では、先輩たちによる部活の勧誘が、初登校の1年生を賑やかに迎えていた。


 その玄関の脇にあるガラス張りの掲示板には、多くの生徒たちが集まり談笑していた。
 掲示板には、クラスごとに名前が書かれている張り紙が貼られている。


 3組の張り紙に、人垣を掻き分け少女が顔を出した。


 肩に掛からないほどのミディアムヘアーの少女は、名前の列を順に目を送り、『八坂那歩(やさかなほ)』の名前に目を止めた。


「あった!」


 自分が3組であることを確認した時、教員用玄関に向かって歩くスーツ姿の男性に気づいた。


「あっ、コージ!」


 そう呼ばれた男性は肩をビクッと震わせ、少女――八坂那歩を振り返った。


「寄るな!」

「ちょっと、逃げないでよ~」




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