神様、恋をください。

My home



~外出許可週間2日目~


「もう11時だよ!!起きようよぉ」

お母さんの声。

昨日は晩までお母さんと話した。

お腹の赤ちゃんは今5ヶ月だとか、お母さんもピアノをやってたとか。


『はぁい!!!』


朝ごはんを食べるため1Fへ__。

席には、父がいた。


「今日の朝は、洋風ね。」

『おいしそー!!病院のはマズイから!』

「そうなの?まぁ、いっぱい食べて」

父はだんまりと新聞を読んで顔を隠している。

庭では、鳥が鳴いていて、空も真っ青。太陽がさんさんとしている。


「杏樹ちゃん、今週どっか行く?」

『うん。菖たちと海に行く。』

「そっか。私とゲーセンは?」

『え...ゲーセン...』

「ダメ?」

『ダメじゃないけど...』

普通、お母さんがゲーセン行こう!なーんて言わないでしょ。

「決まり。義一さんは?」

「...俺はいい。」

よかった。

「杏樹。」

父が私に口を開いた。

『何?』

「話がある。」

『やだ。アンタの話しは聞きたくない』

「大切な話。」

『だから、アンタとは話したくない!!って言ってんじゃん!!!』

そうだよ。

今更、何の用?

いつも、病院では廊下に隠れてたくせに。



< 41 / 71 >

この作品をシェア

pagetop