いつか咲く花【企】

曇り空



「1年生の茂音?」

「うん。結(ユウ)知ってるの?」

いつもの昼休み。
親友の結とご飯を食べながら、屋上での話をすると意外そうな顔をされた。

「茂音って言ったら、空野茂音でしょ?知ってるも何も…あの子有名だよ?」

「え…?」

「確か入試も首席って噂だし、バスケ強いみたいだし。」

「………。」

「知らないの?体育館行ってみたら?ファンばっかりだよ。」

頭良さそうに見えないけど…
だけど、あれだけ授業サボっても平気な理由はそれなんだと妙に納得ができた。


       *


放課後。
体育館を覗くと確かに彼が居た。

「キャー!!モネー!!」

すごい。
1年から3年生までたくさんの女の子。
その女の子達の黄色い声援は全て茂音君に向かっている。

確かに茂音君はキラキラとバスケをしている。
ルールに詳しくない私でも、彼が上手いことは一目で解った。


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