きみの声がきこえない
「いられないよ。
いられるわけないじゃん。
でもどうすることもできないし、苦しんでるんじゃん」
そう言うと、陽介の声がすっと優しくなった。
「お前の苦しみは、俺には理解できるぜ」
「え?」
「もし何かあれば俺を呼べよ。見透かしてやる」
「はっ!?」
「食わねーの?ならちょうだい」
陽介はポテトをつまみだした。
あたしは、ぽかんと言われた言葉を思い出すばかり。
これが陽介との出会いだった。