ご主人様に首ったけ!
☆30☆ 見えない歯車
「露!?」

「聖ちゃん!!」


その日の帰り。

霧様が迎えに来てくださり一緒に昇降口を出ようとしたとき、またしても聖ちゃんに声を掛けられ、立ち止まった。


「なんだか今日はよく会うな~。
ってあれ?あんた、こないだの……」


隣にいる霧様の存在に気付いた聖ちゃんは、話を途中で切って霧様に視線を向ける。


珍しいものでも見るかのような聖ちゃんのその視線に、私の心中はハラハラッ。

まさか、また霧様と聖ちゃんが会っちゃうなんて……!


ただでさえこの間会ったとき、霧様の機嫌がすごく悪くなってたのに、同じ学校だなんて知ったらどうなっちゃうの!?


「へぇ、同じ学校だったんだ……」

「……そうみたいだね。
改めてよろしく」


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