ご主人様に首ったけ!
☆32☆ 一緒に帰った訳
「ちょ……!?聖ちゃん!?
どこ行くの!?」


訳がわからないまま引っ張られてきたけど、なにを言っても止まる気配がなかったのでとりあえずはそのまま黙ってついていくことにした。


「聖ちゃん……?」


ようやく聖ちゃんが止まったところは、同じ住宅街でも人気がほとんどないところ。

でも全く人通りがないというわけではなく、ちらほら人が通りすぎて行く。


とりあえずは安心かな。

なにかあったら大声で叫ぼう、うん。


「で、なに?」


話があるって言ってたのに何も話さなくて、さらには突然こんなところに引っ張ってこられて。

聖ちゃんの行動の真相を確かめるため、その後姿に声をかけるとようやく聖ちゃんは口を開いた。


「あのさ、露。
あいつと、付き合ってるのか?」


でも、私のほうは見ないで後ろを向いたまま。

しかも、質問の意図がわかんないんですけど!


「え?あいつって?」

「お前のご主人様」

「!?
な、なにを突然っ」


えーと、ご主人様って言ったら霧様のこと、だよね?

なんでそんな事聞くんだろ?


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