ご主人様に首ったけ!
「露?」

「霧様……!」


こいつ、露の元彼でご主人様の……?


「デート?」

「……はい」


そう答えた露の表情はすごく切なそうで、好きなやつを想っている、そんな顔だった。


「引き止めて悪かったね。
じゃあね、露……」

「はい」


元彼と別れた後も、露はずっとあいつの後姿を泣きそうな顔で見つめ続けていて……。


もしかして露は、まだあいつの事を?

なら、なんで俺に告白なんかしたんだ?


「露?」

「あ!ごめん、聖ちゃん、いこっ!」


思い切って声をかけたら、俺の手をとって歩き始めた。


付き合ってから初めて繋ぐ手。

嬉しいはずなのに、素直に喜べねぇ。



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