貴方の恋人になりたいです



"彼"とは幼なじみで隣に住んでいる泉 利緒。



ななつ年上で、いつも兄のように立ち回ってくれた。



彼はいつしか私の目標的存在となっていた。



いつも余裕そうで、胡散臭い笑顔を浮かべて、まだまだ私も未熟な舞道も茶道も剣道も全部全部、彼のほうが上だ。



いつのまにか差が開いてしまって、悔しくて悔しくて、無我夢中で彼の背中を追いかけた。



でも、彼はいつも手の届きそうなところでさらりとかわしてしまう。



捕まりそうで捕まらない。



今日ひとつ年をとったことで、なんとなく彼に近づけたような気がする。





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