東日本大震災・宮城より
そんな中、こう言う時はやはり疑心暗鬼になるのでしょうか……あるお客様が「そんな事を言って、中にまだ食べる物を残しているんじゃないのかぁ?」と、中を覗きながら言いました。


「余震で中がいつ崩れるか分からない状況で、私達も命懸けで商品を取って来て販売しています! 現在販売できる飲食類はもうありません!」


社員の『命懸けで』と言う言葉に、やっと納得したお客様が帰って行きました。


そこへ女性のお客様が「子供のオムツはありませんか?」と訊きました。


入口に居た社員の方が入口の扉の向こうに居る別の従業員へ声を掛けてから、「サイズは?」と質問し、お客様に確認した後、誰かが取りに行ったようです。


しばらくしてから、指定されたサイズのオムツを持って来ました。


そして、それを見て同じように近くに居た女性が、オムツを買えたようです。


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