東日本大震災・宮城より
それから母と一緒に、テレビのニュースをずっと見ていました。


被害の大きかった沿岸部では固定電話や携帯電話が圏外になっていて使えない為、無事に避難所へ避難していても家族や友人に連絡できない人達が、テレビを通して氏名を言って無事を知らせています。


暗いニュースが続く中、『家族に再会できた』『無事救助できた』などの明るいニュースも入り、ホッとすると同時に涙が出そうになりました。





そんな事をしているうちに父が起きて、夕食の時間です。


母がさっそく、今日買って来た『チラシ寿司の素』をご飯に混ぜて、「今日はこれだけ」と言います。


さすがに少し物足りない気がして、近所に方から頂いてたくさんあったキャベツの葉を2~3枚外側から剥がし、それを千切りにしてテーブルに出しました。


今の状況では、これでも贅沢な食卓です。


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