戀愛物語
それから店を出て、二人並んで歩き出す。
他愛の無い話題を振られて、みことが相づちをうつ。
恋人同士にさえ勘違いされない二人の帰りは、こうしていつも終わってしまうのだ。
けれど今日は、少しだけ違った。
「ねえ、みこと」
「?」
唐突に名前を呼ばれて、思わず立ち止まってしまう。
その行動がわかっていたかのように、遡羅も立ち止まった。
「みことは僕のこと、どう思ってるの?」
「……え」
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