大好きな彼が浮気しました。
司に…幻滅されちゃったかな…。
嫌なオンナだって…。
ふわ、と
俯く私の背中を、制服の上着が包み込んだ。
「…?」
「ったくお前馬鹿だろ。イケメンだからって、アイツ殴らなかったろ」
あ…
「う…うん。だって…私の我が儘で顔にケガさせちゃったら、…女の子たちが悲しむじゃん…」
たくさん、たくさん。
斉田先輩に憧れてる女の子が、たくさん居る。
斉田先輩を殴ることは、どうしても出来なかった…。