大好きな彼が浮気しました。

司に…幻滅されちゃったかな…。

嫌なオンナだって…。


ふわ、と

俯く私の背中を、制服の上着が包み込んだ。


「…?」

「ったくお前馬鹿だろ。イケメンだからって、アイツ殴らなかったろ」

あ…

「う…うん。だって…私の我が儘で顔にケガさせちゃったら、…女の子たちが悲しむじゃん…」


たくさん、たくさん。

斉田先輩に憧れてる女の子が、たくさん居る。


斉田先輩を殴ることは、どうしても出来なかった…。

< 58 / 230 >

この作品をシェア

pagetop