ヘタレは大人しくヘタれてろ
「あたしよりいい匂いの人なんていっぱい居るんじゃない?ほら、加藤さんとかいい匂いの香水使ってるし」
「あの人はダメだよ。全然いい匂いじゃない。臭くて鼻が曲がりそう」
そんなに……?
あーあ、加藤さんかわいそ。
彼女、克海のこと好きなのに。
内心クスクス笑ってるあたし、性格悪いね。
まあ、別に気にしないけど。
「……もういいんじゃない?」
いつまで抱き締めてるつもりなのかな君。
「……もう?」
「足りないならまた今度。今回は終わりね」
克海は渋々といった感じで離れた。